米国高配当ETFって、結局どれをいつ買えばいいの?
こんなお悩みに対する記事です。
2️⃣ 株式投資歴:約15年
3️⃣ コア投資:インデックス&高配当株(ETF)
4️⃣ サテライト投資:日本個別株&α
5️⃣ 金融資産:〇億トルコリラ
今回は「米国高配当ETFの買い時を考える|総論」の続きになります。
まずはこちらの総論記事をご覧ください。
✅ 米国高配当ETFの購入を検討している方
✅ 米国高配当ETFのどれを買えばいいか分からない方
✅ ドル建ての配当金や分配金が欲しい方
✅ とにかく高配当株が大好きな方
結論からいきます。
2️⃣ HDV :定期定額つみたて&スポット購入(難易度:★★☆)
3️⃣ SPYD:スポット&暴落時に一括購入(難易度:★★★)
ひとつずつ解説していきます。
米国高配当ETFの買い時を考える|各論
代表的な米国高配当ETFの特徴をおさらいしましょう。
注:データは運用会社のホームページから引用
【基礎データ】
【主要銘柄】
【セクター割合】
ここでセクターについて少し解説します。
セクターは景気による影響の受けやすさによって、「景気敏感セクター」と「デフェンシブセクター」に大別されます。
✅ 景気によって株価が変動しやすい
✅ 分配利回りが高め
✅ 景気によって株価が変動しにくい
✅ 分配利回りが低め
【チャート】
青色:VYM 水色:HDV 黄色:SPYD
(Google financeより引用)
VYMのみが2008年のリーマンショックを経験しています。
リーマンショック時にVYMが大きく下落していますね。
直近ではコロナショック時に、VYM、HDV、SPYDのいずれも大きく下落しています。
しかし、いずれも力強く復活してきています。
過去の大きな戦争等を乗り越えてきた米国株の強さが光りますね。
【購入方法】
総論でも解説しましたが、以下の3パターンが代表的な買い時(買い方)です。
2️⃣ スポットで分散購入(難易度:★★☆)
3️⃣ 暴落時に一括で購入(難易度:★★★)
前回は省略しましたが、米国高配当ETFを積立購入するのであれば、SBI証券がダントツでおすすめです。
楽天証券でも米国株の積立購入は可能ですが、現時点ではSBI証券の方が為替コストなどを含めても有利な状況です。
詳しくはこちらの過去記事をご参照ください。
では、個別に買い時を考えてみましょう。
VYM
VYMは、バンガード社が選出した米国高配当銘柄のうち大型株を集めたETFです。
3つのETFの中で、歴史が最も長く分散もきいている銘柄になります。
セクター比率は金融が最も多いですが、ヘルスケアや生活必需品といったデフェンシブセクターが上位を占めています。
キャピタルゲインも狙え、かつ増配率も高いのがVYMの特徴ですので、早期に投資を開始し時間を味方につけることが大切です。
ということで、VYMに関してはインデックス投資と同様に定期定額つみたて購入がおすすめです。
投資経験がある方であれば、配当利回りが3.5%を超えたあたりでスポット購入をしたり、暴落時に追加購入する方法をつみたて投資と併用してもよいですね。
HDV
HDVは、財務優良な米国高配当株75銘柄から構成されたETFです。
3つのETFの中では、ある意味で一番バランスがとれた銘柄ですね。
VYMよりHDVの方が、景気敏感セクターの比率がやや高めです。
HDVの増配率やキャピタルゲインはVYMより緩やかではあるものの、長期的には右肩上がりの成長をみせています。
以上の理由から、HDVも定期定額つみたて購入が基本的におすすめです。
配当利回りが3.8%程まで株価が下落したタイミングを狙ってスポット購入をしてみてもよいですね。
SPYD
SPYDは、S&P500のうち高配当上位80銘柄を集めたETFです。
3つのETFの中で一番歴史が浅いETFということもあり、長期成績がまだ不透明な部分があります。
また、セクター比率は景気敏感セクターが多く、VYMやHDVに比べてコロナショック後からの立ち直りにも時間がかかっています。
これらの理由から、SPYDに関しては定期定額のつみたて購入はおすすめできません。
SPYDは暴落時のまとめ買いが理想的ではありますが、投資初心者の方には正直難しいですよね。
あくまでも参考程度ですが、私がSPYDの購入を検討する指標を紹介します。
✅ VIX指数:30以上
現在のSPYDの価格に対する分配利回りは、証券会社のアプリですぐに確認できます。
【楽天証券】
【SBI証券】
続いて、VIX指数について解説します。
VIX指数はVolatility Indexの略称で恐怖指数とも呼ばれています。
難しく考える必要はありません。
「VIX指数=相場の荒れ具合」
だとざっくり思ってください。
✅ 20-30:やや荒れ気味
✅ 30以上:かなり荒れ気味
VIX指数とググると↓のように出てきます。
リーマンショックやコロナショック時に、VIX指数が大きく跳ね上がっています。
VYMやHDVもVIX指数が30以上になると買い時であることが多いので、参考にしてみてください。
ただし、VIX指数だけを参考にすると割高なタイミングで購入してしまう可能性もあります。
ボリンジャーバンドやRSI等のテクニカル指標を用いて、買い時を検討する方法もあります。
投資初心者さんは、まずは分配利回りとVIX指数を確認して、徐々に知識を深めていけばよいと思います。
まとめ:自身が腹落ちする投資方法が最適
まとめにはいります。
2️⃣ HDV :定期定額つみたて&スポット購入(難易度:★★☆)
3️⃣ SPYD:スポット&暴落時に一括購入(難易度:★★★)
ツイッター等のSNSを見ていますと、
米国高配当ETFは積立購入はダメ!値下がりしたときや暴落時だけ!!
という風潮が多いように見受けます。
しかし、投資初心者の方が株価の値下がりタイミングを読んでスポット購入をしたり、暴落時に米国高配当ETFをまとめ買いすることは極めて難しいと考えています。
投資初心者でスポット購入や暴落時のまとめ買いをすることは、運転免許取り立ての人がフェラーリやフォーミュラカーを運転するようなものです。
最初はVYMの定期定額のつみたて購入からはじめて、徐々にスポット購入などにチャレンジして、少しずつレベルアップしていく方法が無難です。
今回紹介した「米国高配当ETFの買い時」は、私個人が様々な書籍から学んだり、様々な失敗経験に基づいて行っている投資方法です。
結局のところ、投資に正解はありませんから、個々人の目的に応じて自分自身が腹落ちする投資方法で継続すれば問題はありません。
投資に関する書籍に共通して重要と書かれていることは、
①:損をしない
②:相場から下りない
という2点です。
今回の記事が、みなさまの投資活動の継続ならびに参考になれば幸いです。
今日も最後までありがとうございました。
【参考にさせて頂いたブログ記事】
【おすすめ書籍】
参考にさせて頂いた三菱サラリーマンさんの書籍です。FIREを目指す目指さないにかかわらず、高配当株投資に興味がある方は必読の書です。
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