日本政府がNTTの株を売却するらしいよ・・・
え〜!NTTの株持っているんだけど売った方がいいのかなぁ・・・
いやいや、逆に安く買えるチャンスだから、買い増ししたらいいのかなぁ・・・
こんなお悩みに対する記事です。
✅ 投資スタイル:
コア:インデックス(全世界&全米ETF)
サテライト:高配当(日本個別&米国ETF)
おまけ:グロース(日本個別)
✅ 家族:妻 子2人(年子の一姫二太郎)
✅ 趣味:ランニング(フルマラソン29回完走)
✅ マラソン自己ベスト:2時間51分10秒(京都マラソン)
✅ 本業:医療系個人事業主
✅ 座右の銘:良心に恥じぬことが確かな報酬
今回の記事の結論です。
日本政府がNTT売却|歴史から紐解くNTTの運命
先日報道された日本政府によるNTT株式の売却ニュース。
売却した利益は防衛費の増額にあてるとのこと。
- 政府がNTT売却したらどうなるんだろう?
- 保有しているNTTの株価下がっちゃうのかな?
- NTTの株価下がったら買い増ししようかなぁ?
と様々な思惑が個人投資家の中で飛び交っている様子が、SNS等で見られます。
政府がNTT株式を売却することで、NTTの株価はどうなるのか。
今回の記事で、政府保有株式および売却歴を振り返りながら解説します。
NTTのみならず、
- 日本政府が保有する株式一覧
- 過去の政府保有株の売却歴
などを学べる記事となっており、個人投資家としてのレベルアップは確実です。
ぜひ最後までご覧ください。
政府保有株と売却歴の一覧
財務省が公表している、日本政府が保有する株式と過去の売却歴の一覧がこちらになります。
(引用:https://www.mof.go.jp/policy/national_property/list/stocks/kabushiki/baikyaku2021.pdf)
じっくり眺めたい方は、引用元をダウンロード頂ければ無料で閲覧可能です。
今回報道されたNTTのみならず、
- 日本たばこ
- 日本郵政
- JR東・西・東海・九州
- 石油資源開発
- 電源開発(J-POWER)
- 国際石油開発(INPEX)
などを過去に売却していますね。
今回のNTT売却報道で驚かれた方も多いかと思われますが、NTTは過去に何度も売却されているのです。
NTTの売却歴
先ほどの財務表の図表から、NTTの売却歴を抜き出した図表がこちらです。
(財務省の図表を元に筆者作)
最も売却割合が高いのは1987年の12.5%。
現時点でのNTTの株式情報は、
- 時価総額:14兆5,424億円
- 発行済み株式総数:90,550,316,400株
となっています。
2023年7月時点でのNTT大株主一覧はこちらのようになっています。
(引用:Kabutan Premium)
ちなみに現在のNTT法により、政府はNTT株を3分の1以上保有することが義務付けられています。
今回どれだけ政府が売却するかは定かではありません。
仮にNTT法が廃止となり3分の1以上の保有義務が撤廃されとします。
政府保有のNTT株が全て売却された場合は、
- 時価総額:14兆円 × 財務大臣保有率:32.5% = 4兆5,000億円
という金額が動くことになりますので、相応の株価変動は起こりえます。
ただし、実際問題として政府が保有するNTT株を一度に全売却することは、非常に考えにくいと思います。
政府売却時のNTT株価推移
政府が売却を行った時期に、NTTの株価がどのように推移したか過去のチャートで確認してみましょう。
NTTの月足チャートと政府売却が行った時期に赤丸をつけたグラフがこちらです。
(引用:Kabutan Premium)
ご覧の通りで、
- 上がる
- 下がる
- 横ばい
と一定の法則はありません。
当然ではありますが、株価は政府売却以外にも様々な要因で変動します。
今回の政府売却報道を受けて、過度に狼狽する必要はありません。
間違っても、SNSのインフルエンサーなる方々の意見を参考にして、焦って売買する必要は全くないことをご理解いただければと思います。
まとめ
まとめにはいります。
2023年7月に実施されたNTTの大幅な株式分割(1→25分割)。
今回の政府売却に対する布石だったとも考えられますね。
さらに、2024年から新NISAがはじまり、個人投資家の株式購入意欲がわき上がる流れ。
個人的には、何ともきな臭い感じがしてなりません。
NTTは日本を代表する優良な企業であり、私もポートフォリオの一部に組み入れています。
しかし、今回のNTT売却報道をふまえ、投資の大原則である「銘柄分散」という基本に立ち返る必要性を強く感じた次第です。
かつて絶対安全と言われていた電力会社銘柄が、無配や減配している現状。
NTTは大丈夫と思っていてはいけないのです。
どのような銘柄にも惚れてしまっては冷静な投資判断はできません。
投資だけではなく、人生全般にも共通して言えることかもしれませんね。
今日も最後までありがとうございました。
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