金融資産って貯金と株以外に何があるの?
株って元本保証されていないから、少しだけもってればいいのかな?
中堅医師による資産形成レクチャーシリーズの各論11回目です。
今回のテーマは「アセットアロケーション」です。
うわっ!なんか難しい横文字でてきた・・・。
ご安心ください。分かりやすくかみ砕いて説明していきます。
✅:アセットアロケーションについて
✅:自分なりの金融資産配分ができる
結論からいきます。
2️⃣:リスク資産の比率=100 - 年齢 (%)
3️⃣:金融資産のバランスは柔軟に変える
ひとつずつ解説していきます。
金融資産のバランス
アセットアロケーションとは、金融資産のうちリスク資産と無リスク資産のバランスを決めることです。
まず、リスク資産と無リスク資産の概念について説明します。
リスク資産の代表的なものは次の3つです。
- 株
- 債券
- 不動産
一方、無リスク資産の代表は次の2つです。
- 現金(預貯金)
- 国債
リスク資産と無リスク資産の違いは、元本保証の有無になります。
しかし、ぜひご理解頂きたい重要なポイントがあります。
元本の保証と価値の保証は異なります。
銀行に100円を預けていたとします。
預けていた100円に利子がついて101円になることはあっても、100円以下になることはありません。
これがみんな大好き元本保証ですよね。
しかし、お金は何かと交換して価値が生まれます。
うまい棒が1本10円であれば、100円の価値=うまい棒10本になります。
仮にうまい棒が1本20円になれば、100円の価値=うまい棒5本となり、100円の価値が下がります。
物価上昇、為替(円安)などによって、貯金で元本は保証されていても価値自体が下がっている可能性があります。
今回の記事で一番大切な点ですので、繰り返します。
無リスク資産に分類される預金や国債も、価値が変動する点では決して無リスクではありません。
株と現金の比率で考える
投資に関する書籍を読まれた方なら、
「株式:債券=〇:□の比率で管理しましょう」
という文面を1万回ほど見たことがありますよね。
実際、株式に加えて債券まで手を出すと正直かなりの手間です。
債券は価格変動が少ない資産とはいっても、現金より価格変動します。
流動性の面などもふまえますと、
- リスク資産:株式のみ(投資信託、ETF、個別株)
- 無リスク資産:現金のみ
とシンプルに分けた方が、管理は圧倒的に楽になります。
リスク資産比率の決め方
リスク資産の比率に関して広く一般的なものとして、
「リスク資産=100 - 年齢 (%)」
です。
例えば30歳の方であれば、
リスク資産= 100 - 30 = 70%
となります。
ただし、同じ30歳の方でも預貯金の状態によってはリスク資産の比率を変える必要があります。
- 預貯金がゼロ
→リスク資産の比率は低めが安全 - 貯金が1,000万円ある人
→リスク資産の比率は高めでもOK
また、職業によってもリスク資産の比率は変わってくるでしょう。
- 給料が安定している職業(公務員等)
→リスク資産がやや高めでもOK - 収入が不安定な職業(個人事業主など)
→リスク資産はやや低めが安全
人生もリスクの取り方も人それぞれです。
ここで、一番簡単なリスク資産の比率を決める方法を伝授します。
夜中に証券口座を気にせず熟睡できるかどうかです。
熟睡できていれば、適度なリスク資産の比率になっています。
全く熟睡できず、何度も証券口座を確認してしまうようであれば、リスク資産の比率が高すぎます。
あなたの金融資産があなたの健康を損ねる原因となってしまっては、なんのための投資か分かりませんよね。
金融資産のバランスは柔軟に変える
金融資産のうち、どれだけリスク資産に割り当てるか?
「何が何でも、リスク資産=100 - 年齢 (%)にしなきゃならん」
と意固地になってはいけません。
時勢や個人の状況に応じて柔軟に変化を受け入れ、適宜リスク資産の割合を調節しましょう。
人生には様々なイベントがあります。
- 転勤や転職
- 乾坤や出産
- 病気や事故
- 火事や天災
私が好きな投資の格言を紹介します。
未来を予測することは不可能だが、未来に対する準備は可能である。
まとめ:柔は剛を制す
まとめにはいります。
2️⃣:リスク資産の比率=100 - 年齢 (%)
3️⃣:金融資産のバランスは柔軟に変える
知らない間にリスクを取り過ぎていたということにならぬよう、数ヶ月に1回程度は金融資産のバランスを確認するようにしましょう。
マネーフォワード等のアプリのおかげで、資産管理はずいぶんと楽になりましたね。
ただし、道具もアプリも使いようです。
資産が気になって、アプリばかり眺めていても時間の無駄です。
アプリで自分の資産を眺めていても、資産は増えません。
アプリを眺める時間があれば、読書や自己投資に使いましょう。
今日も最後までありがとうございました。
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