会社やめてフリーランスになるんだけど、医療保険ってどうすればいいの?
会社を退職したら、健康保険と国民健康保険のどっちに入ればお得なの?
こんなお悩みにお答えします。
社会保険料ってこんなに高いの???
私がフリーランスになってまず一番最初に感じたことです。
今回は社会保険の中でも公的医療保険に関する記事です。
お堅い内容ではありますが、今回の記事を読むことで年間数十万円得をする可能性があります。
②:会社を定年退職する
③:健康保険の任意継続をしている
上記の方のみならず、このブログをいつも読んでくださる知性あふれる読者の方にとっても、医療保険の復習という意味において有益な記事となっております。
ぜひ最後までご覧ください。
結論からいきます。
②:「高給取りは健康保険の任意継続」が最適解ではなくなった
公的医療保険を大まかにおさらいした後、健康保険の任意継続制度および改正ポイントについて解説していきます。
フリーランス転向する人は必読|健康保険の任意継続制度改正
2022年1月より健康保険の任意継続制度が改正されました。
税金や社会保障に関する制度は度々改正されています。
制度改正の波を上手く乗りこなすことも、資産形成において大切な技術です。
ぜひ最後までご覧ください。
公的医療保険とは?
日本は国民皆保険制度であり、何かしらの公的医療保険に入る必要があります。
病気や怪我をしたときに、医療費全額ではなく1〜3割だけ病院で払っていますよね。
これが公的医療保険の代表的なサービスです。
公的医療保険には以下の2種類があります。
①:国民健康保険
②:健康保険
厳密にはもっと色々ありますが、上記2つが代表的な公的医療保険です。
健康保険と国民健康保険
健康保険と国民健康保険。
名前は似ていますが、中身は全く異なるものです。
ざっくり解説していきます。
健康保険
「健康保険≒会社員が入る公的医療保険」です。
支払う保険料は4〜6月の平均月給に基づいて決められます。
もちろんですが、平均月給が高いほど保険料は高くなります。
私はフリーランスになってから知ったのですが、健康保険の保険料は会社が半分出してくれています。
会社員(勤務医)って守られているんだなぁ〜
国民健康保険
「国民健康保険≒フリーランス/個人事業主/無職の方が入る公的医療保険」です。
保険料は昨年の年間所得(≒給与)に基づいて決められます。
ここでも当然ながら、年間所得が高くなると保険料も高くなります。
保険料は全額自己負担です。
健康保険と国民健康保険の違い
「傷病手当金」や「出産手当金」など、国民健康保険に比べて健康保険の方が保険内容が手厚くなっています。
小さな子供など扶養する家族がいる場合は、健康保険は扶養している家族の保険料を追加で払う必要はありません。
一方で国民健康保険は、扶養している家族の分も別途に保険料を支払う必要があります。
もうムリ・・・。さようなら〜。
ごちゃごちゃ言って申し訳ありませんでした。
ざっくり言いますと、
「家族がいるなら健康保険の方がお得だよ」
という感じです。
フリーランスになったら入る公的医療保険
会社勤めからフリーランスになったり退職して無職になった場合、
①:国民健康保険
②:加入していた健康保険の任意継続
③:家族が加入している健康保険の被扶養者になる
という3パターンがあります。
ほとんどの場合は、①または②のパターンになりますね。
健康保険の任意継続制度とは?
会社を辞めてからも、会社勤めの時に加入していた健康保険に継続加入ができる制度です。
ここで、任意継続制度で4つ注意点があります。
②:退職日までに2ヵ月以上健康保険に加入している必要がある
③:任意継続期間は2年間まで
④:一旦任意継続を選ぶと原則2年間はやめられない
後述しますが注意点の4番目「一旦加入すると原則2年間やめられない」という点が、今回改正されたポイントの1つです。
支払う保険料は、
①:「資格喪失時の標準月額報酬額(≒退職時の月給)」
②:「平均の標準報酬月額(全被保険者の標準月額報酬を平均したもの)」
①と②を比べて低い方の標準月額報酬額に基づいて算定されます。
ざっくり例えますと、
①:あなたが会社を退職する時の平均月給 60万円
②:あなたが勤めていた会社の社員全員の平均月給 30万円
だったとすれば、金額の低い30万円に基づいて保険料が決まります。
重要なポイントなので繰り返しますが、月給が高くなると保険料は高くなり、月給が低くなると保険料は低くなります。
管理職や勤務医など会社(病院)の中でも給料が高い方であれば、
「資格喪失時の標準報酬月額」 > 「平均の標準報酬月額」
となることが多いです。
よって、
「高給取りは健康保険の任意継続をした方がお得」
という理屈になるわけです。
しかし、健康保険の任意継続を選択した場合、会社が半分出してくれていた保険料も自分で払う必要がありますので注意が必要です。
また、子供など扶養家族の人数によっても国民健康保険と健康保険のどちらがお得になるのか変わってきます。
一般的に扶養家族が多い方であれば、健康保険の任意継続がお得になります。
- 退職時の平均月給
- 会社が負担してくれていた分の保険料支払い
- 扶養家族の有無
これら以外の細かい点もふまつつ、健康保険の任意継続と国民健康保険のどちらがお得になるか計算して、最終的に判断する必要があります。
もう限界です・・・。保険料はどうでもいいから楽な方でいいです・・・。
またごちゃごちゃ言ってしまい申し訳ありません。
ややこしい話をしましたが、会社を辞めると決めたら総務課などお金に関する部署に相談することをおすすめします。
私も勤務医を辞めるときは、毎日のように総務課へ行き保険料について相談しました。
健康保険の任意継続制度改正ポイント
今回の本題である「健康保険の任意継続制度の改正」について解説していきます。
2年間のしばりがとれた
2021年度まで健康保険の任意継続は以下の条件がないとやめられませんでした。
②:保険料を期限までに払わなかった
③:任意継続をしてから2年がすぎた
しかし、制度改正により2022年1月から上記のような条件がなくても自由に途中下車できるようになりました。
すなわち、「任意継続やめたいです」と申請し受理されたら、翌月から健康保険の任意継続をやめることができます。
健康保険の任意継続をやめた後は、
①:国民健康保険に入る
②:家族が入っている健康保険の被扶養者になる
のいずれかになります。
健康保険の保険料算定方法が変更(協会けんぽは除く)
繰り返しになりますが、健康保険の任意継続の保険料は
①:「資格喪失時(≒退職時)の標準月額報酬額」
②:「平均の標準報酬月額(全被保険者の標準月額報酬を平均したもの)」
①と②を比べて、低い方の標準月額報酬額に基づいて計算されていました。
しかし2022年1月からの制度改正により、
①が②より高かろうが低かろうが、①に基づいて保険料を保険者側が決められるようになりました。
またまたざっくり例えますと、
①:あなたが会社を退職する時の平均月給 60万円
②:あなたが勤めていた会社の社員全員の平均月給 30万円
だったとすれば、金額の高い60万円に基づいて保険料が決められるようになった訳です。
ですので、
「高給取りが会社をやめるときは健康保険の任意継続がお得」
ということには一概にならなくなったというわけです。
へっへっへ。これで保険料をたんまり徴収してやるぜ。
という日本政府の思惑がうかがい知れますね。
もうこれ以上高給取りサラリーマンを狙い撃ちにしないで・・・
まとめ:知識を増やして税金や保険料を減らそう
まとめに入ります。
②:「高給取りは健康保険の任意継続」が最適解ではなくなった
公的医療保険の選択1つで年間数十万円の差が生まれます。
今後も制度改正はされると思われますが、現状をふまえて具体的な対策をいくつか示します。
【具体例①】2022年1月にフリーランスに転向した比較的若い方
会社退職時の月給が高く、子供もいたので健康保険の任意継続にした。
2023年1月時点で、2022年度の年間収入が会社員時代と比べて激減した。
2022年の年間所得で国民健康保険の保険料を計算すると、任意継続より国民健康保険に切り替えた方が保険料が安くなることが判明。
2023年から国民健康保険へ切り替え保険料を10万円以上安くできた。
【具体例②】ご年配で退職後に完全無職になる方
2022年3月末に退職。
退職時の給料等から計算した結果、健康保険の任意継続にした。
退職後1年間ほぼ収入がなかった(≒年間所得がゼロ)。
年間所得がゼロであるため、国民健康保険の保険料が激安になることが判明。
2023年4月から健康保険の任意継続をやめて国民健康保険へ切り替え、または子どもの健康保険の被扶養者になって保険料を数十万円安くできた。
健康保険の任意継続手続きが面倒くさいということで何もしなかった場合は、自動的に国民健康保険へ加入することになります。
大切な自分と家族を守るためです。
面倒ではありますが、フリーランスになる際は公的医療保険の手続きはしっかり行っておきましょう。
今日も最後までありがとうございました。
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