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開業のリアル経験談|新規個別指導への対策方法とは?

 

 

開業したら個別指導ってなんかヤバいのがあるらしいんだけど・・・

個別指導への対策方法ってあるのかなぁ・・・?

 

 

こんなお悩みに対する記事です。

 

 

🖌この記事を書いている人
 ✅ 本職:某零細クリニック院長
 ✅ 家族:妻(共働き) 年子2人(6歳と5歳)
 ✅ 趣味:読書 マラソン 株式投資
 ✅ 座右の銘:良心に恥じぬことが確かな報酬

 

 

今回の記事の結論です。

 

 

💡開業のリアル経験談|新規個別指導への対策方法
 ✅ 行った診療内容を全てカルテに書く
 ✅ 病名をつけたら転帰を必ずつける
 ✅ 加算内容に対する記録をしっかり残す 

 

 

 

実録|新規開業個別指導を受けた結果と対策方法

 

開業医に対する新規個別指導に関して、一般的な内容を解説した記事はいくつか見受けられます。

 

しかし、個人の体験談はほとんど見かけることはありません。

 

開業スタイルも診療科も人それぞれですので、私の経験が一概に新米開業医の方の役にたつわけではないと考えます。

 

それでも、新規個別指導で苦い思いする開業仲間が減ることを祈願して、今回の記事をお届けします。

 

 

開業医に対する新規個別指導とは

 

開業をしたら誰しもが通る登竜門。

 

それが新規個別指導。

 

ざっくり言いますと、

 

「ちゃんと保険診療のルールに沿って診療してますか?」

 

「ルールに沿って診療してなかったら、お咎めを受けていただきますよ!」

 

という正に新米院長泣かせの一大イベントという感じです。

 

 

私自身のリアル経験談

 

開業して9ヵ月経ったある日。

 

ついに恐れていた郵便物がクリニックに届きました。

 

厚生局から新規開業の個別指導の案内という封筒。

 

個別指導の日程は、開業後10カ月目にあたる日でした。

 

入会している医師会から、個別指導対策として個別指導2週間前に懇談会を開催していただきました。

 

その場で、先輩開業医の方々から個別指導時の注意事項などを教わることができ、非常にためになりました。

 

この場をお借りして、医師会とご指導頂いた先生方に陳謝いたします。

 

 

さて、個別指導に持っていくものを列挙します。

 

  • 10人分の診療録(いわゆるカルテ:1〜3号)
  • 血液検査や画像データ
  • 紹介状や返書
  • 看護記録
  • リハビリテーション関係書類
  • デイケアなどに関わる関係書類
  • 特定保険医療材料および薬剤などの購入納品伝票(1年分)
  • 審査支払期間からの返戻・増減点通知に関する書類(1年分)
  • 薬剤情報提供に係る文書
  • 院外処方箋を発行している場合は処方箋の用紙
  • 患者ごとの一部負担金徴収に係る帳簿、患者ごとの内訳のある日計表(1年分)
  • 診療費請求書および領収証(1年分)
  • 保険医療機関の現況(個別指導10日前までに郵送)
  • 保険医に係る出勤簿など

 

所属する厚生局によって多少の差はあるかもしれませんが、だいたい以上のようなものを準備する必要があります。

 

この準備だけで、心身ともにヘロヘロになりました。

 

さらに、指導対象の患者リストが個別指導の1週間前にしか届かないので、急ピッチでの準備が必要になります。

 

当院の事務さんにも大変頑張っていただき、なんとか書類一式は個別指導前日に準備完了。

 

 

そして、いよいよ個別指導当日を迎えます。

 

個別指導には、開設者・管理者(私)、保険医(副院長)、請求事務担当者(事務さん)の3人で出席しました。

 

約束の時間15分前に到着し、持参した大量の資料を提出。

 

数分後、厚生局担当者3名(うち1名は司会役)が来られ、いざ個別指導開始。

 

まず当院に関して様々なことを質問されます。

 

具体的には、

 

  • 従業員の数や構成
  • 診療科目と担当医師
  • 使っている電子カルテのタイプ
  • 院内のネットワーク環境について
  • 電子カルテのパスワード更新頻度(1-2ヶ月毎が必須)
  • 院内掲示の有無(特定疾患加算や時間外加算などについて)

 

などです。

 

こちらについては、院内管理を誰かに任せきりの院長でなければ、即座に答えることができる内容ばかりでした。

 

 

続いて、患者個別毎のカルテ内容について指導を受けます。

 

注意を受けた点や請求取り消し(=お金返すこと)になった点を列挙します。

 

  • 左右がある場合は左右を必ず入れる(例:尿管結石)
  • 症状病名は入れない(例:全身倦怠感 腹痛など)
  • 紹介状には既往歴、家族歴など必ず書く(ないならなしと書く)
  • 特定疾患管理料については指導した内容を書く(書いていないと☓)
  • 創傷処置をした際は傷の大きさ場所範囲を細かく書く
  • 安易に腫瘍マーカーを測定しない(特にPSA)
  • 検査した所見は必ず書く(エコー検査など)
  • 病理検査や培養検査などは患者に説明したことを書く(書いていないと☓)
  • 病理検査の結果に基づいて何をしたかを書く(書いていないと☓)

 

のび太くんがジャイアンにボコボコにされるような事態を想定していましたが、思ったほどメッタメタのギッタギタにはされませんでした。

 

  • かれこれ言われるが
  • まま全く反論せず(ここ重要)
  • あやまり続けた個別指導

 

約1時間で終了しました。

 

一旦10分ほどの休憩入り、その後に総括を受けます。

 

指導の結果については、

 

  • 概ね妥当
  • 経過観察
  • 再指導
  • 要監査

 

に分類され個別指導から1ヶ月後に郵送されてくるようです。

 

概ね妥当になることはほぼないそうで、経過観察になれば合格。

 

再指導となれば、1年後ほどにまた個別指導を受ける必要があります。

 

また要監査となれば、監査に入られ最悪の場合は保険医取り消しもありえます。

 

 

私としては経過観察になれば御の字と考えています。

 

 

兎にも角にも、個別指導が終わった後の開放感はたまりませんでしたね。

 

 

新規開業される先生へのアドヴァイス

 

新規開業個別指導にあたって、こらから開業される先生や開業して間もない先生へアドヴァイスを送ります。

 

  • 検査した内容や行ったことは正確に書く
  • 検査結果を説明したという事実を書く
  • 傷の大きさなど点数が変わる処置についても細かく書く
  • 特定疾患管理料についてはどのような指導を行ったか細かく書く
  • 紹介状は既往歴や内服薬なども空欄にせず必ず書く

 

要は、普段から真面目に診療して真面目にカルテを書くということに尽きますね。

 

私自身は1日の診療が終わった後、すべての患者さんのカルテをもう一度チェックして、抜けがないかを開業した日から継続しています。

 

それでも抜けがあって指導で指摘された点も多々ありました。

 

普段からのカルテ記載については、勤務医のとき以上に神経を使う必要がありますね。

 

また、カルテ記載のみならず紹介状の記載や医学管理料を算定する際の同意書や計画書などもしっかりカルテに残しておく必要があります。

 

面倒ではありますが、管理を怠ると痛い目にあうのは自分自身です。

 

 

まとめ

テディベア, 病気, 聴診器, 負傷者, Arztbesuch, 回復します

 

今回は新規開業個別指導を受けた個人の体験談とこれから個別指導を受けられる予定の方へのアドヴァイスをまとめました。

 

普通に真面目に診療し真面目にカルテを書いていれば、個別指導で大変な目にあう可能性は低いと思います。

 

何事も日々の小さな積み重ねが肝要と痛感した新規個別指導でした。

 

 

今日も最後までありがとうございました。

 

 

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