医者って給料が高いからお金持ちなんでしょ?
高給取りの代表的な職業として、
- 医師
- 弁護士
- 有名企業社員
などを思い浮かべる方が多いと思います。
しかし、「高給取り=お金持ち」ではありません。
今回は医師がお金持ちになれない理由を解説します。
「資産形成≠お金持ちになる」
ではありますが、お金自体は資産形成に欠かすことはできません。
お金持ちになれない理由を知ることで対策が見えてきます。
対策が分かれば、あとは行動をするだけでお金持ちに近づくことができます。
医師に限らず、本ブログを読んでくださるような真面目な読者の方が資産形成を行う上で参考になる記事となっておりますので、ぜひ最後までご覧ください。
結論からいきます。
- ①:ストレス発散で浪費
- ②:医師が金持ちという社会の誤解
- ③:学会費など出費インフレ
- ④:金融リテラシーの欠如
ひとつずつ解説していきます。
医師がお金持ちになれない理由
令和元年に公表された厚生労働省の「第22回医療経済実態調査」による医師平均年収です。
- 勤務医 約1,300万円
- 開業医 約2,700万円
平均ということをふまえても、医師は高給取りであることは間違いないようです。
続いて、医師の年齢別総資産額です。
(参考:リクルートメディカルキャリア)
年代によってばらつきはありますが、医師全体での総資産1億円以上の割合は13%という結果です。
なぜ医師は高給取りにもかかわらず、億万長者いわゆるお金持ちが少ないのでしょうか?
ストレス発散で浪費
臨床医という仕事しか経験がない私がいうのものなんですが、医師はストレスが大きい仕事の一つだと確信しています。
ストレスが大きい理由の一つとして、自由な時間が少ないことです。
- 休日など時間外の病棟回診
- 日当直業務
- オンコール(救急外来や病棟からの呼び出し)
心の底から休まる瞬間が皆無といっても過言ではありません。
たまったストレスを短時間で発散する方法が浪費です。
- ブランド品(洋服、鞄、時計など)
- 高級車
- お酒(飲み会含む)
特に同僚が浪費をしていると、ついつい自分もつられて浪費癖がついてしまいます。
ここで誤解していただきたくないことは、浪費をダメといっている訳ではありません。
よい浪費は人生を豊かします。
しかし、
「その浪費は自分の人生を本当に豊かにしているのか?」
という点を認識する必要があります。
- 他人に自慢をしたいから
- 同僚が同じようなものを持っていたから
- 誰かに勧められたから
といった理由の悪い浪費は避けるべきです。
悪い浪費で得られる豊かさは一瞬だけで長続きしません。
私自身も若かりし頃、人生の豊かさに結びつかない浪費を繰り返していました。
しかし、ランニングという最高の趣味に出会ってからは浪費は激減しました。
お金をかけなくてもストレスを解消できる方法は数多く存在します。
中でも若手医師にお勧めできるストレス解消法は、
- 読書
- 軽い運動
- 昼寝
です。
共通点は一人で短時間でもできる点です。
医師がお金持ちという社会の誤解
なんだかんだいって、医者って金持ちなんでしょ。
「医師=金持ち」という世間のイメージが強いため、医師は何かと高い価格のものを勧められる傾向にあります。
代表的なものが住宅です。
お医者様ですから、これくらい大きく庭付きの住宅でないと・・・
住宅会社のこのような謳い文句にのせられて、年収の6-7倍もする住宅ローンを組みマイホームを購入してしまうケースもあります。
私は数年前に住宅ローンを組みマイホームを購入しましたが、住宅ローンは年収の約3倍です。
ここで重要なポイントは、「住宅ローンは年収の何倍が適切か?」ということではありません。
何においても、他人の価値観ではなく自分の価値観で購入する習慣をつけましょう。
あなたにとってマイホームが年収6-7倍の住宅ローンを組む価値があるのであれば、問題ないのです。
しかし、繰り返しますが年収と比例して税金は高くなります。
世間が思っているほど医師の手取りは多くありません。
「医師=お金持ち」という社会の誤解に医師自身がいち早く気づくことが肝要です。
社会の誤解と自分の価値観を混同しないよう注意してくださいね。
学会費等の出費インフレ
日本救急医学会の年会費が10,000円から16,000円に値上がりしたという記事です。
チロルチョコや牛丼だけではなく物価は右肩上がりです。
身の回りにあるものでも、
- ガソリン
- 自販機の飲料水
- 電気ガスなどの公共料金
といったものの価格が確実に上がっていることは肌で感じているはずです。
医師になると医師特有の出費が出てきます。
- 学会参加費
- 専門医試験費
- 専門医更新費
- 医師会費
などあげればきりがありません。
例にもれずこれらの費用も年々右肩上がりです。
医師の給料も年々右肩上がりであれば問題ありません。
しかし、残念ながら医師の給料、特に勤務医の給料は年々ほぼ横ばいです。
勤務先によっては学会費用などに対して補助がでることもあります。
勤務先の総務課などに学会補助費の有無に関して必ず確認をしておきましょう。
金融リテラシーの欠如
- 幼小の頃から受験戦争に打ち勝つための塾や習い事通い
- 大学進学後はレポートや実習そしてサークル活動で大忙し
- 研修医になってからは分からないことだらけで右往左往する毎日
- 後期研修医になると専門取得に向けた勉強と臨床業務で日々疲弊
自らが意識して学ぶことがないかぎり、医学生や若手医師がお金に関して勉強する時間は存在しません。
私自身もお金に関する知識はほぼゼロの状態で医師になりました。
金融リテラシーが全くない若者が突然給料で20-30万円という大金をもらっても、どうしていいか分かるはずがありません。
- 所得のどれだけを貯蓄にまわすべきか?
- 変動費や固定費を抑える方法は?
- 社会保険料とは?
- 源泉徴収とは?
これらの質問に即答できる研修医の先生はどれくらいいるでしょうか。
仮に全問即答できれば医師としては金融リテラシー上位数%にはいります。
あわてる必要はありません。
この資産形成のレクチャーを全て受けていただいた後には、これらの質問に即答できるようになっているはずです。
まとめ:敵を知って己を知る
まとめにはいります。
- ①:ストレス発散で浪費
- ②:医師が金持ちという社会の誤解
- ③:学会費など出費インフレ
- ④:金融リテラシーの欠如
残酷な資本主義の世界では、無知な人から搾取されたお金が知識がある人に回る仕組みになっています。
知識は最強の武器にもなりますし防具にもなります。
少しずつともに学習していきましょう。
次回のレクチャーは各論③「初任給の使い方と給与明細の見方」を予定しています。
今日も最後までありがとうございました。
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