2024年から「新しいNISA」がはじまるらしいね!
これまでの「つみたてNISA」や「一般NISA」はどうしたらいいのかな?
こんなお悩みに対する記事です。
✅ 投資:15年目
✅ 投資スタイル:
コア:インデックス(全世界&全米)
サテライト:高配当(日本個別&米国ETF)
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今回の記事の結論です。
✅ つみたてNISA:これまで通り継続でよし
✅ ジュニアNISA:今後の状況によって対策必要
新NISA対策|これまでのNISAはどうすればよい?
2024年からはじまる新しいNISA。
NISA全般に関しては、本家本元の金融庁のホームページが一番まとまっています。
復習も兼ねて、2023年までのNISAと2024年からの新NISAの違いを再確認しましょう。
(引用:NISAとは? : 金融庁)
非課税期間恒久化や非課税枠増額が何かと話題ですが、これまでのNISA制度を使っていた人が注目すべきは、
- 現行制度から新しい制度へのロールオーバーは不可
という点になります。
「ロールオーバー」ってよく聞くけど、結局なんじゃい???
という声がイスロテ島*の人口を超えました。
*:世界一人口密度が高い島
ということで本編に進む前に、
- ロールオーバー
- 非課税期間終了後の取り扱い
についてまず説明します。
ロールオーバーと非課税期間終了後の取り扱い
現行のNISA制度には非課税期間がそれぞれ決まっており、
- 一般NISA:5年
- つみたてNISA:20年
- ジュニアNISA:5年
となっています。
非課税期間が終わった時点で、
- 翌年の非課税投資枠に移す(=ロールオーバー)
- 課税口座に移す
- 売る
という3つから選択することになります。
注意点として、「つみたてNISA」はロールオーバーできませんので、「つみたてNISA」は非課税期間が終了すると、
- 課税口座に移す
- 売る
の二択になります。
さて、「ロールオーバー」に関して説明しましょう。
金融庁のページの記載を引用します。
非課税期間が終了した際には、NISA口座・ジュニアNISAで保有している金融商品を翌
年の非課税投資枠に移行(移管)することができます。
この移管のことを「ロールオーバー」と呼んでいます。
なお、ロールオーバー可能な金額に上限はなく、時価が非課税投資枠を超過している
場合も、そのすべてを翌年の非課税投資枠に移すことができます。
図で示すと次のようになります。
(引用:一般NISAのポイント : 金融庁)
非課税期間終了時に120万円の元本が130万円に増えていた場合も、ロールオーバーは可能ですが、翌年は新規買い付けができなくなります。
一般NISAの出口戦略
一旦視点を変えて、一般NISAの出口戦略について考えてみましょう。
というのは、一般NISAの出口戦略を理解することで、ロールオーバーという仕組みが存在する意義が分かりやすくなるからです。
一般NISAの出口戦略におけるポイントは、
- 利益が出ているかどうか
- 非課税期間終了時の価格が取得価格になる
- 損益通算ができない
という3点です。
損益通算については、こちらのページの説明がおすすめです。
非課税期間終了時に、
- ケース1:利益が出ている
- ケース2:損失が出ている
という2つのパターンで説明します。
(引用:一般NISAのポイント : 金融庁)
ケース1の非課税期間終了時に利益が出ている場合、
- 出口ですぐに売却
- 価格が上がってから売却
- 価格が下がってから売却
いずれの場合も、一般NISAを利用したことで損をすることはありません*。
*注:価格が下がって売却して損が出た場合も損益通算ができるため。
一方、ケース2の非課税期間終了時に損失が出ている場合はどうでしょう。
課税口座に移して利益が出てから売却すると、
- 130万円ー100万円(取得価額)=30万円(利益)
30万円の利益に対して税金(約6万円)がかかります。
手元で増えたお金は、
- 130万円ー120万円(元本)ー6万(税金)=4万円
になります。
一方、最初から課税口座で保有していた場合は、
- 130万円ー120万円(元本)=10万円(利益)
10万円の利益に対して税金(約2万円)がかかります。
手元で増えたお金は、
- 130万円ー120万円(元本)ー2万円(税金)=8万円
ということで、一般NISAを利用した方が損をしています。
また、非課税期間終了直前に売却した場合は20万円の損失が確定しますが、この損失に関しては損益通算ができません。
ごちゃごちゃ言いましたが、これだけは覚えておいてください。
- 一般NISAは非課税期間終了時に利益が出ていないと損をする
ということです。
ここで登場するのが、ロールオーバーという制度です。
非課税期間終了時点での評価額100万円の資産を、翌年の非課税枠に移します(=ロールオーバー)。
その後、130万円になった時点で売却すれば、利益の30万円に対しては税金がかかりません。
手元に増えたお金は、
- 130万円ー120万円(元本)ー0円(税金)=10万円
ということで、一般NISAを使ってよかったという結末になります。
以上をふまえて、それぞれのNISAについて新NISA対策を解説していきます。
一般NISA
2024年から新NISA制度に切り替わるにあたり、一般NISAは廃止されます。
ですので、2019年以降に一般NISAで購入した資産はロールオーバーする枠が消失します。
前述した通り、一般NISAは非課税期間終了時に利益が出ていないと損をする制度です。
ウォール街のランダムウォーカーという名著に載っている有名なグラフを掲載します。
株式投資は投資期間が長くなるほど、年平均リターンがマイナスになる確率が減っていきます。
5年間でほぼ確実に株式投資で利益を出すには、インデックス投資を上回る投資手腕が必要と考えています。
よほど自信がある方を除いて、一般NISAで保有している資産については早々に利益確定を行い新NISA制度に備えた方が無難でしょう。
つみたてNISA
一般NISAと同じく、つみたてNISAも2023年をもって廃止されます。
しかし、
- 非課税期間20年間が維持される
- 新NISAとつみたてNISAの非課税枠は別個
という点から、これまで通り2023年もつみたてNISA継続で全く問題ありません。
新NISAに備えてつみたてNISAを一旦やめようと考えている方。
個人投資家の強みである時間と複利を活かすためにも、つみたてNISAを継続することをおすすめします。
ジュニアNISA
新NISA制度とは関係なく、ジュニアNISAは2023年度で終了します。
これまでは、非課税期間5年をすぎたらロールオーバーの手続きが必要だったのですが、新NISA制度の誕生に伴い手続きが不要になりました。
個人的にはロールオーバーの手続きが非常に面倒くさいと感じていたので、非常にありがたい改正ですね。
つみたてNISAと同じく、ジュニアNISAに関しても基本的に手をつける必要はないと考えています。
しかし、
- ジュニアNISAをはじめた子どもの年齢
- 子どもが成人になった時のNISA制度
などの要因によって、対策が必要になってくる可能性は十分にありますので、NISA制度を含めた金融関連の情報を定期的にチェックする必要がありますね。
まとめ
まとめにはいります。
✅ つみたてNISA:これまで通り継続
✅ ジュニアNISA:今後の状況によって対策必要
制度変更に伴う過渡期は様々な情報が飛び交い、特に投資初心者さんは右往左往しやすくなりますね。
NISAやiDeCo等の非課税制度を上手く活用することも大切ですが、
- 投資本来の目的
- お金や投資より大切なこと
を忘れずに1日1日過ごしましょう。
あわてる必要は全くありません。
落ち着いていきましょう。
今日も最後までありがとうございました。
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