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- 【25年データで検証】SRAホールディングス(3817)は"減配しない高配当株"の教科書|リーマン・コロナも乗り越えた実質無借金企業を徹底分析
【25年データで検証】SRAホールディングス(3817)は"減配しない高配当株"の教科書|リーマン・コロナも乗り越えた実質無借金企業を徹底分析
結論:SRA HDは"25年の減配履歴ゼロ"が最大の武器
先に結論から述べます。
SRAホールディングス(3817)は、過去25年間にわたり『本業の業績が半減しても配当を切り下げなかった』という実績を持つ、極めて希少な高配当銘柄です。
高配当株投資で最も恐ろしいのは「配当の罠(Dividend Trap)」、すなわち株価下落で見かけ上の利回りが高騰した銘柄を掴んだ直後に減配されるパターンです。
これを回避する最大の防御策は、過去の景気後退局面で同社が配当をどう扱ったかを確認すること。
SRA HDはこの審査を過去25年で3回(ITバブル崩壊、リーマンショック、コロナ禍)パスしてきました。
本記事では、2001年3月期から2026年3月期予想までの25年分データをベースに、このディフェンシブ性を定量的に検証していきます。
1. SRAホールディングスとは|1967年創業の独立系SIer
SRAホールディングス(東証プライム・3817)は、1967年創業のソフトウェア会社SRAを中核とする**独立系システムインテグレーター(SIer)**です。
金融・製造・公共・医療など幅広い業種向けの業務システム開発・運用保守・ITインフラ構築を手掛けています。
2026年4月時点の株価は4,700円台、時価総額約730億円、発行済株式数1,524万株。
中小型株ゾーンに属しますが、PBR1.87倍・予想ROE15.14%と、収益性は大型株並みの水準です。
特定の親会社を持たない独立系という立ち位置が、顧客業種の分散=景気耐性につながっている点が、後述する25年の減配なし実績の土台になっています。
2. 25年の売上・利益推移|3度の危機を生き抜いた成長軌跡

まず過去25年の業績推移をざっと俯瞰します(単位:百万円)。
| 決算期 | 売上高 | 営業利益 | 最終利益 | EPS(円) | 1株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2001.03 | 25,691 | 974 | 1,048 | 68.8 | 7.5 |
| 2003.03 | 29,014 | 194 | ▲256 | ▲16.8 | 6.5 |
| 2005.03 | 34,259 | 1,659 | 1,056 | 76.3 | 11.5 |
| 2008.03 | 45,058 | 4,102 | 2,224 | 160.7 | 40 |
| 2010.03 | 34,053 | 1,997 | 1,238 | 89.5 | 40 |
| 2013.03 | 32,168 | 2,436 | 1,681 | 128.0 | 45 |
| 2016.03 | 39,155 | 3,736 | 463 | 38.4 | 70 |
| 2019.03 | 40,793 | 4,078 | 2,023 | 164.1 | 110 |
| 2020.03 | 43,642 | 4,948 | ▲612 | ▲49.7 | 110 |
| 2023.03 | 42,864 | 6,004 | 879 | 71.1 | 140 |
| 2025.03 | 51,617 | 7,940 | 3,377 | 267.5 | 180 |
| 2026.03(予) | 53,500 | 8,300 | 4,900 | 387.9 | 190 |
ポイント①:売上は25年で約2倍、営業利益は約8.5倍
2001年3月期の売上257億円・営業利益9.7億円から、2026年3月期予想では売上535億円・営業利益83億円へ。
売上は2.1倍、営業利益は約8.5倍に成長しています。
注目すべきは売上成長以上に利益成長が大きいという事実。
これは売上増だけでなく利益率そのものが構造的に改善していることを意味します。
ポイント②:営業利益率は3.79%→15.51%へ4倍超
営業利益率の推移を時系列で並べると、事業構造の変化が明確に見えてきます。
- 2001.03期:3.79%(受託開発中心の低収益時代)
- 2010.03期:5.86%
- 2015.03期:8.34%
- 2020.03期:11.34%
- 2025.03期:15.38%
- 2026.03期予:15.51%
25年で利益率が約4倍に改善。
これは単なる景気の追い風ではなく、パッケージソフト販売やクラウドサービス、保守・運用といったストック型収益の比率を計画的に高めてきた結果と解釈できます。
高配当株投資家にとって、利益率の長期改善トレンドは配当の持続可能性を担保する最重要要因の一つです。
ポイント③:3度の危機でも売上・利益は回復軌道
過去25年で3度、大きな業績悪化局面がありました。
- 2003年3月期:ITバブル崩壊後の受注減で最終▲2.56億円の赤字
- 2010年3月期:リーマンショックの影響で営業利益が前期比47.7%減
- 2020年3月期:コロナ禍の特別損失で最終▲6.12億円の赤字
しかしいずれのケースも、売上高の落ち込みは一時的で、数年以内に過去最高水準を更新しています。
受注残を抱える法人向けITサービス業の特性と、顧客業種の分散が効いている構造です。
3. 配当史|25年一度も"水準そのもの"を切り下げていない
ここが本記事の核心です。
SRA HDの配当推移を長期で追うと、この銘柄が単なる高配当株ではなく"配当防衛銘柄"であることが浮かび上がります。

配当推移(主要年)
- 2001.03期:7.5円
- 2003.03期:6.5円(赤字決算でも配当維持)
- 2007.03期:25円
- 2008.03期:40円
- 2009.03期:40円(リーマン直撃年も維持)
- 2010.03期:40円(売上18%減・営業益47%減でも維持)
- 2013.03期:45円
- 2017.03期:90円(普通配当85円+特別配当5円)
- 2018.03期:110円(普通配当100円+創業50周年記念配当10円)
- 2020.03期:110円(最終赤字でも維持)
- 2021.03期:120円
- 2023.03期:140円
- 2025.03期:180円
- 2026.03期予:190円(中間修正で180円→190円に増配)
危機時の配当維持を定量評価する
高配当株投資における最重要チェックポイントは「最悪期に何が起きたか」です。
SRA HDの危機時挙動は以下の通り。
リーマンショック(2010年3月期)
- 売上:418億円 → 341億円(▲18%)
- 営業利益:38.2億円 → 20.0億円(▲48%)
- にもかかわらず配当:40円 → 40円(据え置き)
コロナショック(2020年3月期)
- 最終損益:+20.2億円 → ▲6.1億円の赤字転落
- にもかかわらず配当:110円 → 110円(据え置き)
通常、最終赤字に転落した日本企業の約3〜4割は配当を削減すると言われます。その中でSRA HDが据え置きを選択できたのは、後述するキャッシュフローと内部留保の厚みが背景にあります。
25年での配当成長倍率
2001年3月期の7.5円から2026年3月期予想の190円まで、名目で約25.3倍。
年平均成長率(CAGR)に換算すると約14%。日経平均の同期間の配当成長を大きくアウトパフォームしています。
「配当再投資×長期保有」を前提とするインカム投資家にとって、これは極めて魅力的な数値です。
4. 財務健全性|有利子負債倍率0.36→0.00の20年史
配当の持続性は、最終的にはバランスシートの強さで決まります。
SRA HDの財務指標を時系列で追うと、驚くほど計画的に財務を強化してきた軌跡が見えます。

自己資本比率の推移
- 2005.03期:39.4%
- 2010.03期:55.4%
- 2015.03期:59.4%
- 2020.03期:57.4%
- 2025.03期:59.9%
- 2026.03期3Q時点:65.1%
20年で20ポイント以上改善。
プライム市場の中堅IT企業としてはトップクラスの自己資本比率を維持しています。
有利子負債倍率の推移
| 決算期 | 有利子負債倍率 |
|---|---|
| 2005.03 | 0.36倍 |
| 2010.03 | 0.16倍 |
| 2015.03 | 0.06倍 |
| 2020.03 | 0.01倍 |
| 2024.03 | 0.00倍 |
| 2025.03 | 0.00倍 |
2024年3月期以降は事実上の完全無借金状態。
有利子負債倍率0.00倍という水準は、東証プライム全体を見渡しても希少です。
この意味するところは明確で、金利上昇局面でも支払利息による利益圧迫リスクがゼロ。
さらに不況時の資金繰り悪化による「配当維持が困難になる」リスクも限りなく低いということです。
剰余金(内部留保)の推移
- 2005.03期:36.3億円
- 2015.03期:152.9億円
- 2025.03期:228.5億円
- 2026.03期3Q時点:245.8億円
内部留保は20年で6倍以上に増加。単年度のフリーCFだけでなく、バッファーとして積み上げた厚い自己資本が配当の最終防衛線として機能しています。
5. キャッシュフロー分析|配当原資の余裕度

配当の持続性は、最終的には毎年稼ぐ現金(フリーキャッシュフロー)で支払いきれているかで決まります。
過去5年のフリーCFと配当総額(概算)
| 決算期 | 営業CF | 投資CF | フリーCF | 配当総額(概算) | CF対配当カバー率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021.03 | 49.99億円 | ▲1.35億円 | 48.64億円 | 約18.3億円 | 2.66倍 |
| 2022.03 | 28.26億円 | ▲4.60億円 | 23.66億円 | 約19.8億円 | 1.20倍 |
| 2023.03 | 51.41億円 | ▲3.15億円 | 48.26億円 | 約21.3億円 | 2.27倍 |
| 2024.03 | 41.03億円 | ▲1.65億円 | 39.38億円 | 約24.4億円 | 1.61倍 |
| 2025.03 | 57.78億円 | ▲2.64億円 | 55.14億円 | 約27.4億円 | 2.01倍 |
フリーCFが年間の配当総額の1.5〜2.5倍を安定確保しています。仮に営業CFが一時的に半減しても、配当を維持できる水準です。
現金等残高の長期推移
- 2002.03期:36.15億円
- 2010.03期:103.24億円
- 2020.03期:53.70億円
- 2025.03期:197.38億円
23年で約5.5倍に現金が積み上がっています。
この水準があれば、仮に1〜2年業績が停滞しても配当を取り崩しで維持できる余地が十分にあるということ。
実際、2020年3月期の最終赤字時に配当110円を維持できたのは、この現金厚みがあってこそです。
6. 高配当株としてのリスク|3つの留意点
メリットを並べるだけの記事は読み手の判断材料になりません。
冷静に見ておくべきリスクを3点整理します。
① 株価は"割安"ではない:
PBR1.87倍、予想PER約12倍という水準は、割安株ではなく"適正価格"ゾーン。
「バーゲン買い」を狙うタイプの投資家には物足りません。
利回り4%以上を確保できる水準(株価4,750円以下)での分割エントリーが基本戦略になります。
② 生成AI時代のSIer業態リスク:
コード生成AIの進化で、従来型の受託開発部分は将来的に単価下落圧力を受ける可能性があります。
ただし同社はすでにストック型収益へのシフトを進めており、影響は限定的と見るのが合理的ですが、年次で利益率の推移を継続ウォッチする必要はあります。
③ 流動性の低さ:
時価総額約730億円、出来高は1日あたり数万株程度。
大きな資金の出し入れには不向きで、中長期インカム狙いのバイ&ホールド前提でないとワークしません。
7. まとめ|"守りのコア銘柄"として組み入れる価値
過去25年のデータを踏まえた総合評価は以下の通りです。
| 評価軸 | 評価 | 根拠 |
|---|---|---|
| 配当利回り | ◯ | 約4%でプライム平均を大きく上回る |
| 減配耐性 | ◎◎ | 25年間、3度の危機でも減配ゼロ |
| 業績成長性 | ◎ | 売上2.1倍・営業益8.5倍(25年間) |
| 財務健全性 | ◎◎ | 有利子負債倍率0.00・自己資本比率65% |
| キャッシュ創出力 | ◎ | フリーCFが配当の約2倍を安定確保 |
| 割安性 | △ | PBR1.87倍で過熱感はないが割安でもない |
総合評価:
派手な値上がり益は期待しづらいが、"減配しない"という高配当株投資の最大要件を過去25年で証明済み。
配当再投資戦略のコア銘柄として組み入れる価値が高い。
投資戦略としての3つの提案
- 分割買いを基本に:一度に全ポジションを取らず、利回り4%以上を目安に3〜4回に分けて買い下がる
- 配当再投資を徹底:年2回の配当を複利で回し、20〜30年スパンでインカムを最大化
- ポートフォリオの1銘柄として:高配当ETFの補完、あるいは"個別株の納得感"を得たい投資家のコアポジションとして5〜10%の範囲で組み入れ
派手さはないが、データに裏打ちされた堅実さこそが、SRAホールディングスの本質的な魅力です。
恒例の結びとして、私が心に刻んでいる投資格言を添えます。
株式市場は、短期的には『人気投票の場』に過ぎないが、長期的に見れば『価値の計測器』として機能する
ベンジャミン・グレアム
今日も最後までありがとうございました。
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