つみたてNISAをはじめてみたけど、このままでいいのかな・・・
新しいNISAがはじまるみたいだけど、切り替えた方がいいのかな・・・
こんなお悩みに対する記事です。
「NISAの非課税枠を増やすワザ」という記事がAERAに掲載されました。
簡単に説明すると次のようになります。
※前提として一般NISAとつみたてNISAは併用することはできません。
- 2022年:つみたてNISAを一般NISAへ切り替え
- 2022年〜2023年:一般NISAの非課税枠120万円X2年=240万円
- 2024年:一般NISAから新NISAへ切り替え
- 2024年〜2028年:新NISAの非課税枠122万円/年X5年=610万円
- 2029年:新NISAからつみたてNISAへ切り替え
- 2029年〜2043年:つみたてNISAの非課税枠40万円X15年=600万円
合計1,450万円の非課税枠が完成ということになります。
仮に2022年から2043年までつみたてNISAを継続した場合、「40万円X22年=880万円」の非課税枠となります。
※記事ではなぜ800万円となっているかは不明です。
一見するとお得な感じがしますので、
つみたてNISAなんかやめて一般NISAへ切り替えだ!やっほー!
と鼻息が荒くなりそうな話ですがそんなに単純な話ではありません。
私自身は「つみたてNISAから一般NISAへの切り替え」で非課税枠を増やすことはしません。
今回、私が「つみたてNISAからNISAへ切り替えない理由」を含めて、「つみたてNISAからNISAへ切り替えるべきか」という点を解説します。
あくまでも投資に正解はなく、個々人が各々の目的に応じて非課税制度を利用すべきです。
「つみたてNISAから一般NISAへの切り替えはダメ」と断言しているわけではございませんので、その点はご理解頂ければ幸いです。
先に結論からいきます。
- ①一般NISAは非課税期間が5年と短い
- ②NISAは利益が出ていなければ意味がない
- ③NISAの切り替え自体やロールオーバーが煩雑
ひとつずつ解説していきます。
つみたてNISAから一般NISAへ切り替えない理由
一般NISAは非課税期間が5年と短い
つみたてNISAをされている方の多くが、老後資金など長期的な資産形成を目的にインデックス投資をされていると思います。
世界最高の投資家であるウォーレン・バフェットも大好きな「S&P500」の150年チャートです。
(出典:たぱぞうさんのブログ)
長期的に見ると右肩上がりのチャートではありますが、5年や10年といった中期的に見るとかなり苦しい時期もあったことがよく分かります。
特に1929年のBlack Tuesday後の20年間は投資家にとっては地獄だったでしょう。
過去の歴史をみても分かるように、インデックス投資で確実に利益を出すには長期投資が必須です。
つみたてNISAがすぐれているのは非課税額ではなく20年という長期の非課税期間です。
私には5年後確実に値上がりしている株を買う技術も知識も持ち合わせておりません。
NISAは利益が出ていなければ意味がない
NISA全般に共通していることは、投資で得た利益が非課税になるということです。
非課税枠が仮に1億円になっても、非課税期間終了時点で利益がゼロであればNISAのメリットはありません。
得をするどころか逆に損をする可能性もあるのがNISAです。
一般NISAで具体例を提示します。
- 2022年:A株120万円分を一般NISAの非課税枠で購入
- 2027年:非課税期間終了時、A株120万円分が暴落で80万円に値下がり
- 2032年:好景気でA株が120万円に値上がり
2022年に120万円で購入したA株が2032年に120万円に戻ったので損得なし(損益通算)となるところですが、NISAでは非課税期間が終了した2027年時点でのA株の値段(この場合は80万円)が購入価格と見なされます。
仮に2032年にA株を売却した際、120万円-80万円=40万円に対して金融所得課税がかかります。NISAを使っていなければ損得ゼロだったにも関わらず、逆にNISAを使ったことで損をしてしまうことになります。
私には5年後確実に利益を出す株を選ぶ自信は全くありません(2回目)。
NISAの切り替え自体やロールオーバーが煩雑
楽天証券では「つみたてNISAから一般NISAへの切り替え」はネットで完結できます。
しかし、他の証券会社ではNISAの切り替えのために書類手続きが必要の場合もありますので手間といえば手間です。
一般NISAの非課税期間が終了した時点で、利益のあるなしにかかわらずロールオーバーができます。
このロールオーバーという制度がくせ者です。
簡単に言いますと「ロールオーバー=非課税期間延長」ということになりますが、ロールオーバーした年は追加投資ができないなどの制約があります。
私自身「何事もなるべくシンプルにしたい」という信念で生きています。
「つみたてNISAから一般NISA」への切り替え作業を行わない理由の1つも、この信念があるからです。
まとめ:NISA制度を作った日本政府の狙いは?
まとめにはいります。
- ①一般NISAは非課税期間が5年と短い
- ②NISAは利益が出ていなければ意味がない
- ③NISAの切り替え自体やロールオーバーが煩雑
長期インデックス投資を資産運用のコアにしている方には、「つみたてNISAから一般NISAへの切り替え」をわざわざ行うメリットは少ないと感じています。
一方、短期から中期的にまとまった資金で投資をしたい方には、「つみたてNISAから一般NISAへの切り替え」で非課税枠を増やすメリットはあると思われます。
最後に日本政府がNISA制度を始めた本当の狙いを私なりに考察します。
増税政策が進む中、NISA制度は「投資の利益に対しては税金をとりませんよ」という一見お得な制度にみえます。
このような制度を作ることによって、
- タンス預金を投資にシフトさせる
- NISAの非課税期間中に投資で利益が出せない人が一定数発生する
- 非課税期間終了後に金融所得課税でがっつり税金回収する
といった狙いがあるのではと個人的に考えています。
結局知識がないとカモにされるだけってことだね・・・
亡くなった人と投資をしていたことを忘れていた人の運用成績が最もよかったという話もあるように、株式投資に関しては下手にこねくり回さないことが上手くいくコツです。
自分の頭で考えて心地よいと思える投資を継続していきましょう。
今日も最後までありがとうございました。
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