ご訪問、ありがとうございます。
これから健康診断、または健康診断の結果がかえってくる時期ですね。
「健康診断で、血尿があると言われた・・・。」
「自覚症状はないけど、病院いかなきゃいけないのかな・・・。」
「病院にいったら、痛い検査でも受けなきゃいけないのかな・・・。」
「癌とか、怖い病気の可能性があるのかな・・・。」
こんなお悩みをもたれた方々へ、
うつにはなっちゃいましたが、
泌尿器科(専門医+指導医)医&2児のパパが、お答えします。
たまには、泌尿器科医らしい記事も書いてみますね。
結論から述べますと、
- 自覚症状がなくても、病院は受診した方がよい
- いきなり痛い検査を受ける可能性は、極めて低い
- 癌などの怖い病気がみつかる可能性も、極めて低い
1つずつ解説していきます。
健康診断で血尿があると言われたら・・・
健診などで、「尿に血が混ざっている」と指摘を受けた場合、
急は要しませんが、病院を受診することをオススメします。
受診する科は、泌尿器科でよいと思います。
泌尿器科医として10年以上外来診療をしていますが、
ほぼ毎日の頻度で、「血尿」の方が来られます。
決して珍しいことではありませんので、ご安心ください。
ほとんどの方が無症状、であることが多いのですが、
- 「自分の目でわかるような、真っ赤なおしっこが出た」
- 「おしっこするときに、痛みがある」
- 「おしっこが、近くなっり、もれるようになった」
- 「おしっこが、出にくくなった」
などの症状がある方は、話が別になります。
このような症状がある方は、早急に病院を受診してください。
また、血尿だけではなく、
- 「尿にタンパクがおりている」
- 「腎臓の働きが悪い」
という指摘を健診などで受けられた方も、
早急に病院を受診することをオススメします。
いきなり痛い検査はしません
病院を受診した後の流れを説明します。
通常の場合、
「問診/診察→検査→結果説明」
という流れになります。
しかし、
「検査→問診/診察+結果説明」
という流れになることもあります。
理由を説明します。
検査を受けても、検査結果はすぐに出ません。
簡単な尿の検査でも、30分前後かかることもあります。
検査結果が出る時間を、診察を待つ時間にかぶせることで、
合計の待ち時間を減らすことになります。
待ち時間を加えた流れを示しますと、
「診察待ち(待ち時間A)→問診/診察→検査→検査結果待ち(待ち時間B)→結果説明」
「検査(待ち時間ほぼゼロ)→診察+結果説明待ち(待ち時間C)→診察/問診+結果説明」
待ち時間A+待ち時間B>待ち時間C
ということになりますよね(わかりにくくて申し訳ありません)。
まず最初に受ける検査は、
「尿検査」&「超音波検査」、
になります。
全く痛くありませんし、被曝もしません。
問診や診察もしていないのに、
「CT検査*1」や「膀胱鏡検査*2」と言った検査を勧めてくる病院、
オススメできません。
(*1:CT検査はそれなりに被曝する検査です)
(*2:膀胱鏡検査は、患者さんによっては、痛みが強い検査になります)
余談にはなりますが、
泌尿器科を受診する際、待ち時間を短くするコツを教えます。
泌尿器科を受診する際は、「尿の検査がほぼ必須」、になります。
ですので、
「尿がすぐに出せる状態で病院を受診する」と、待ち時間が少なくなります。
具体的には、
「自宅を出る前に、おしっこをしないようにする」
「水分をたくさんとって、おしっこがいつでも出せるようにする」
という方法になります。
ただ、いずれもほどほどでよいですからね。
おしっこが漏れそうになるまでガマンしたり、
水を2Lや3Lも飲む必要は全くありませんよ。
血尿の原因は?
健康診断で「血尿」があると言われ、
びくびくしながら病院を受診し、
いろいろな検査を受けた結果・・・、
「癌が見つかりました・・・」と言われる可能性、
極めて低いです。
(もちろん0%ではありません)
では、
「血尿の根本的な原因はなにか?」
ということになるのですが、
正直、「原因不明」であることが多いです。
「え〜、原因わからないの???」と思われた方、
理由を説明いたします。
原因を追求しようと思えば、いくらでも追求できます。
しかし、原因を追求するためには、
色々な検査を、たくさん受けていただく必要があります。
中には非常に危険な検査や、痛みを伴う検査もあります。
そして、苦痛を乗り越えて、原因がわかったところで、
「何もしなくても大丈夫な病気です」
と言われたら、どうでしょうか?
「金と時間と苦痛を返せ!」
と言いたくなりますよね。
ただ、「原因がわからない→放置」はオススメしません。
定期的(半年〜1年)に健診または病院を受診することをオススメします。
最後になりますが、
今回の「血尿」は、
「見た目ではわからないけど、検査で尿に血が混ざっていると言われた。」
という方を対象に説明しております。
「自分の目で見てわかるような、真っ赤なおしっこが出た。」
という方は、
血尿以外の症状があろうがなかろうが、
すぐに病院を受診することをオススメします。
特に、一番気をつけて頂きたい方は、
「40歳以上の男性でタバコを吸っている」
という方です。
「タバコを吸っていると、肺癌になりやすい」
ということは、有名な話だと思いますが、
「タバコを吸っていると、膀胱癌にもなりやすい」
のです。
理由を説明します。
タバコの中には、たくさんの発癌物質が含まれています。
それで、肺癌になりやすいということは、想像しやすいと思います。
タバコを吸って、身体に吸収された発癌物質は、どこに行くのでしょうか?
おしっこに混ざって、流れて出て行くわけです。
想像してみてください。
発癌物質をたくさん含んだおしっこが、膀胱にたまっていることを。
著明人(俳優の松田優作さん、菅原文太さんなど)で膀胱癌になった方々、
ほぼもれなくヘビースモーカーです。
タバコ、やめましょう。
あと1日がんばったら週末です。
すっきりしない天気が続きますが、
体調管理に気をつつ、丁寧に過ごしたいと思います。
今日もありがとうございました。