フリーランス医師ってあこがれるけどなんか不安・・
フリーランス医師になるメリットとデメリットってなんだろう?
こんなお悩みに対する記事です。
✅ 専門:マイナー外科系
✅ 資格:専門医 指導医 腹腔鏡技術認定医など
✅ 略歴①:医局に属さず10数年勤務医
✅ 略歴②:とある事情で入局→すぐに退局→フリーランス医師
私のプロフィールに関して興味がある方は、こちらの記事をご参照ください。
ネットや書籍で解説されている「勤務医」と「フリーランス医師」の違いについて、私なりの解釈を加えてざっくりとまとめます。
✅ 一つの病院や一つの医局に属する
✅ 福利厚生&社会保障&雇用が安定
✅ 平均年収:約1,200万円
✅ テレビドラマ:救命病棟
✅ 一つの病院や一つの医局に属さない
✅ 福利厚生&社会保障&雇用が不安定
✅ 平均年収:約2,000万円
✅ テレビドラマ:ドクターX
注:上記はあくまでも目安です。
今回の記事は、勤務医とフリーランス医師の優劣を付ける趣旨ではありません。
また、全ての医師にフリーランスという働き方を推奨するものでもない点もご理解ください。
まず結論からいきます。
✅ 医師以外の世界
✅ 健康的な生活
✅ ストレス
✅ 人付き合い
個人的な体験談をふまえつつ、ひとつずつ解説していきます。
フリーランス医師になって増えたこと
まずはフリーランス医師になって「増えたこと」から解説します。
自由な時間
フリーランス医師になってから、自由な時間が確実に増えましたね。
ただし、勤務だった時代に自由な時間が全くなかった訳ではありません。
一方で、夜間や休日であろうと、病院からの呼び出しがいつあるか分からないという緊張感をもって過ごすため、心の底から休める時間は正直皆無でした。
- 子供と遊んでいる最中に病棟からの呼び出し
- 家族でご飯を食べている最中に救急外来からの呼び出し
- ランニング中に病棟から呼び出し
- などなど
「呼び出し」という首輪から開放された飼い犬を想像して見てください。
そんな感じです。
医学以外の世界
フリーランス医師になってから、医学以外の世界と接する時間が増えました。
特に子供と過ごす時間の中で、何気ない日常の風景が今までと全く異なったように見ええてきます。
- なぜ空は青いのか?
- なぜ風は吹くのか?
- なぜタンポポはわたげになるのか?
好奇心の塊である子供とふれあうことで、己の小ささを思いしらされますね。
子供だけではなく、フリーランス医師になってから始めたブログやSNSも世界を広げてくれました。
例え一度も顔を合わしたことがない方々であっても、私にとってはかけがえのないつながりです。
SNSやブログは、狭苦しい医師という世界から抜け出す「通り抜けフープ」のような存在ですね。
健康的な生活
夜間休日の呼び出しがゼロになったおかげで、睡眠時間が安定しました。
睡眠時間のみならず、睡眠の質も確実に向上しましたね。
健康のために欠かせない三大要素は、
- 食事
- 運動
- 睡眠
です。
その中でも睡眠は最も大切といっても過言ではありません。
多忙な勤務医時代でも、食事や運動は工夫次第でなんとかなります。
食事は質の高いプロテインや補助食品でカバーできますし、運動は院内移動を全て階段移動でかつ2段飛ばしで行えば十分に事足ります。
しかし、睡眠だけはどうにもなりませんね。
- 寝られるときに寝とけ
- 食べられるときに食べておけ
と10年以上前の研修医時代によく言われたものです。
今の研修医の先生方に、上記のようなことを言ったらパワハラで訴えられそうですね。
お金や資産形成に関する情報を主に発信していますが、健康であることが大前提です。
お金もちの方々ほど、自分の身体や健康に対する意識が高いです。
世界最高の投資家である、ウォーレン・バフェットもこう言っています。
自分の身体を乗換えのできない車だと思いなさい。
フリーランス医師になって減ったもの
続いて、フリーランス医師になって「減ったこと」を解説します。
他人との比較
勤務医の頃は、見えない誰かと常に競い合っていましたね。
- 論文や学会発表の数や質
- 手術執刀件数や手術の技術
- 専門医や認定医の資格など
論文作成、手術技術の向上、資格取得に向けた勉強など。
これらを否定するつもりは全くありません。
競争原理があるからこそ医学も日々進歩しており、その恩恵を私たちが享受しているわけですからね。
ただし、他人と資格の数や手術件数を比較することは全くもって無駄な行為です。
上を見ればきりがなく、下を見てもきりがありません。
フリーランス医師という立場に身を置き、競争社会から一歩離れた場所から全体を眺めてみるのも悪くはありません。
ストレス
医局に属している医師であれば、勤務先を自分で選択できないことがほとんどです。
小さな子供がいようが、マイホームを買ったばかりであろうが、医局の都合だけで僻地へ飛ばされることもあります。
私が医局に入らなかった理由の一つも、いつどこに飛ばされるか分からないというリスクが高いという点でした。
勤務先だけではなく、勤務先で働く上司や部下を選べないのも勤務医ならではです。
ストレスの原因の90%は人付き合いとも言われています。
- 長時間の通勤
- 望まない勤務先
- 尊敬できない上司
こんな環境で働いていたら、フルマラソンを26回完走するようなメンタルの持ち主であっても、それは心が壊れますよ。
人付き合い
元々人付き合いは少ないほうでしたが、さらに少なくなりました。
孤独だとか寂しいとかいう感覚は全くありません。
好きな人との時間を増やして、嫌な人との時間を減らす。
これ以上、人生を豊かにする方法はないと考えています。
私が尊敬する一人である甲本ヒロトさんの言葉を引用します。
友達なんていなくていいよ。
学校なんてたまたま家が近くで同じ年の人が集まっただけじゃん。
気が合わないなら友達なんて作らなくていい。
だって、想像してごらんよ。
満員電車にのっている人たちはみんな友達かい?
人付き合いは無理してやるものではありません。
まとめ:バランスが大切
まとめにはいります。
✅ 医師以外の世界
✅ 健康的な生活
✅ ストレス
✅ 人付き合い
どちらかというと、フリーランス医師のメリットに傾倒した内容になりました。
繰り返しますが、今回の記事は勤務医とフリーランス医師を比較し優劣をつける目的ではありません。
そもそも、勤務医とフリーランス医師を比べること自体がまんざらおかしいわけです。
現時点で、私は勤務医に戻るつもりは全くありません。
フリーランス医師になって、一度きりである人生の価値観を見直しました。
ただし、このままフリーランス医師を続けるつもりはありません。
フリーランス医師という立場ではできない仕事が、私に残されているからです。
今後の働き方については、来るべきタイミングが来た際に記事にします。
医師であろうがなんであろうが、人生はひとそれぞれです。
時勢に応じて適切な立ち位置をとり、バランスを保ちつつも方向を間違えず、一歩ずつ前へ進んで生きましょう。
今日も最後までありがとうございました。
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フリーランス医師としてのリアルなブログ運営結果です。収益化の道はイバラの道ですね。
中堅医師になった今だからこそ、10数年前の研修医だった自分に伝えたいこと。お金をどれだけ出しても買えないことを大切にしてくださいね。