ご訪問ありがとうございます。
サブスリー&パパドクターです。
泌尿器科の専門医&指導医でもあります。
僕の経歴などは、次の記事をご参照ください。
暑い日々が続いています。
熱中症も怖いですが、尿管結石にもなりやすい季節です。
三大痛い病の一つである「尿管結石」。
仕事柄、
尿管結石で苦しい思いをされている方を1万人以上診てきました。
こんな僕が、
「尿管結石で痛い目に遭わないようにするための極意」
をお伝えします。
Martin BüdenbenderによるPixabayからの画像
<目次>
尿管結石の疫学
男性5人に1人
女性は7人に1人
が、一生の間に尿管結石になると言われています。
決して珍しい病気ではありません。
誰でもなりうる病気です。
診断方法
通常、側腹部の痛みや背部の痛みが急に起こります。
尿管結石の場所によっては、下腹部や陰部の痛みが起こることもあります。
痛みに加えて、血尿がでることもあります。
尿管結石が疑われた場合に行われる検査は、
- 尿検査
- レントゲン検査
が行われます。
それでも診断がつかない場合は、
- 超音波検査
- CT検査
等が行われます。
これらの検査を行う目的は、
- 尿管結石という確定診断をつける
- 尿管結石以外の病気ではないことを確認する(除外診断)
ということです。
尿管結石以外の病気の方が怖いことがあります。
特に大動脈瘤破裂など、
命に関わる病気と尿管結石の症状が似ていることがありますので、
注意が必要になります。
治療方法
痛みに対しては痛み止めを使います。
一番よく使われるのは、座薬の痛み止めです。
個人的には、座薬の痛み止めが一番有効な印象です。
座薬の痛み止めでも痛みが取れない場合は、注射薬などを使います。
尿管結石そのものに対しては、
- 5mm以下の小さな尿管結石 → 薬物治療
- 5mm以上かつ自然と出てこなさそうな尿管結石 → 手術治療
が行われるケーズが多いです。
尿管結石そのものだけではなく、
患者さんの状態や希望に応じて、治療方法を決めていくことになります。
手術治療といっても、現在ではほとんど切腹手術はありません。
以上の方法で治療されることがほとんどです。
どちらの治療にも一長一短がありますので、
どちらの治療にするかは、担当の先生とよく相談して決めましょう。
予防方法
尿管結石は非常に再発が多い病気の一つです。
一回尿管結石になった人は、
5年間の間で約40%の確率で再発する
とも言われています。
「もう尿管結石で痛い目にあうのはイヤだ」
という方はしっかり予防をしましょう。
①水分摂取
一番大切と言ってもいい予防方法です。
水分摂取の目標は1日2Lと言われています。
水分を沢山とる。
→おしっこの量が増える。
→尿管結石の原因物質がおしっこの中に溶ける量が増える。
→尿管結石ができにくくなる。
コップに入った水の中に、塩をどんどん入れていくと、
溶けずに残った塩がコップの底にたまる原理のような感じです。
水分と言っても、ジュースやアルコールは×です。
水がベストです。
②食生活
いわゆるメタボの人は、尿管結石になりやすいと言われています。
基本的にはバランスがとれた食生活が大切です。
特定の食べ物をあげますと、
シュウ酸が多く含まれるものは避けた方がよいです。
具体的には、タケノコ、ナッツ、ホウレンソウ等です。
僕自身の経験上、
シュウ酸が多く含まれたものを食べ過ぎた結果、
尿管結石になった人はほとんど診たことがありません。
しかし、今まで一人だけ、
「家の隣でタケノコが採れるから、毎日タケノコ食べています。」
という尿管結石の患者さんに出会ったことはあります。
③薬物治療
- 生活習慣を気をつけていても、何度も何度も尿管結石になる
- 特殊な尿管結石
以上のような方に対しては、薬の治療を行うことがあります。
しかし、
尿管結石予防の王道は、
「水分摂取+食生活の是正」であります。
まだまだ暑い日々が続きそうです。
熱中症予防と尿管結石予防のために、水分はしっかりとりましょう。
今日もありがとうございました。